Ixy先生に学ぶ普通の人が絵を仕事にできない理由
ちょっと文章を書くの慣れを高めたかったので、しばらく連続して雑記を書いていきたいと思う。一週間は続けたい。
前置き以上。
普通の人が絵を仕事にできない理由
自分が好きなイラストレーターのひとりに、Ixy さんがいる。 Ixy さんは youtube で配信を行っていて、ある日の配信で視聴者からの質問に答えていたのだけれど、そのなかで普通の人が絵を仕事にできない理由についての考えを述べていた。
まずは内容を紹介したい。
「普通の人、無理な気がするわ。絵でずっと仕事するのって。ずっと絵を描いてることになるから、普通に外出て旅行とかしたいなって思ってるんだったら発狂しちゃうかもしれない」
これを聞いたとき、衝撃を受けた。
実はこの配信、時期的にはかなり前(具体的に覚えていないが2021年中だと思う)なのだけれど、この衝撃は長らく自分の胸に抱えるのみだった。ところが先日、ついにこの話題を友人との話のなかで出す機会があった。 しかしそのときの反応は「ふーん、なんか普通だね」といったものだった。
悲しい。 というわけで自分を慰めるため、何に衝撃を受けたのか言葉にしたいと思う。
普通の発想
衝撃を受けたというのは、つまりは予想しない方向から心に斬り込まれたということである。 「だいたいこんなところだろうな」という内容から衝撃は生まれない。
自分が「普通の人、無理な気がするわ。絵でずっと仕事するのって――」という枕から予想できる内容を挙げてみる。
仕事にできるくらいのクオリティの絵を描くのは誰でもできることじゃない
絵の上手さという指標があるとして、それが一定に達しない人間は絵を仕事にできないよという感じ。 一番わかりやすい尺度だと思う。
仕事として描くなら、楽しくないことも含めて絵に取り組まなければいけない
仕事なら自分の好きなものを好きなように描けばいいだけではないよ、という感じ。 例えば自分が描きたいものを描けなかったり、各種の楽しいと思えない努力をしなければいけなかったり、納期と格闘したりしなければいけないかもしれない。
絵を描くことを仕事として成り立たせることは困難
今や絵が上手いだけでは仕事にならなくて、絵を描く技能プラス何かが必要だよ、という感じ。ビジネス手法としての観点。
衝撃
いくつか例を挙げたけれど、できない理由としてはとても自然だと思う。
自然で、衝撃はない。
技能レベルの話、姿勢の話、ビジネスの話、として考えれば別に絵に限られない内容でもあり、このあたりの感覚については意識せずとも持っている人は多い気がする。普通の感覚と言えると思う。
しかしそこで、「普通の人、無理な気がするわ。絵でずっと仕事するのって」からの「ずっと絵を描いてることになるから、普通に外出て旅行とかしたいなって思ってるんだったら発狂しちゃうかもしれない」である。
ぶっ飛んでいると感じたのは、普通の人も絵を仕事にすること自体は当然できるという前提に自然に立っていることころ。
普通の感覚が絵を仕事にすることの可能不可能の話をしている一方、それをあたかも当然のように所与の要素にして、なんかライフスタイルの話をしている。 絵を仕事? まぁ本気なら当然それは実現できるよ。でも実際なった後はさぁ――、みたいな感じだ。(註:この語り口は創作)
というわけで
以上、「これが人気イラストレーターの思考か……」と感服したお話。
自分はイラストレーターを目指していたりするわけではない普通の人間なのだけれど、そんなことは全然関係なく感じるところがあった。
友人は「なんか普通」と評したわけだけれど、実際はそこまでありふれた考え方ではない気がする。 是非まわりの人に「普通の人が絵を仕事にできない理由」を聞いておいてください。そしたら何かが見えてくるはずです。ほな、終わります。